ひとりひとりのささやかで深い信仰、日々の糧に感謝し、黙々と祈りを捧げる毎日、華やかな権力に乗じて突き進む生活のかたわらに、つつましくけれども幸せな生活があったことを、ふとした風景が知らせてくれる。世界の情勢が緊迫度を増せば増すほど、心は失ってしまったものを恋い焦がれるように思います。

コンク、サント・フォア修道院聖堂、12世紀前半、フランス

 

神秘の粉挽き車、ヴェズレー、サント・マドレーヌ聖堂、南側廊柱頭、1120〜30年頃、フランス

 

眠るマギへのお告げ、オータン、サン・ラザール大聖堂、内陣柱頭、1120〜30年頃、フランス